甲丸リングが出来るまで

シンプルな甲丸リングが作られる工房とは!?その全貌を紹介します。全てが職人仕様の部屋になってます(^^)

この写真にあるもののほとんどが手作りです。
椅子・机・棚・作業台などを作ってしまいました。普段は凄く小さなジュエリーばかりなので、机や椅子などの寸法の大きいものは楽勝だとか。
この下の写真の道具入れも全部手作りなんです。。。中の物の全てが仕事に使う道具で、一体何に使うのかサッパリ。。。

ゴールドの精錬作業

まずは地金の精錬作業ですね。僕は小さい頃からこれが好きでよく見ていました(^^)
ちなみに本日は、プラチナとゴールドの精錬作業です。
右側の道具類はゴールド用の道具です。プラチナは別にあります。理由は後ほど。

まず、使用する地金をバーナーで溶かします。溶けた地金を金型に流し込みます。この作業も簡単にはいかないので慎重に・・・で、出来上がったゴールドの地金が右側の写真。熱くて触れませんよ(^^)

プラチナの精錬作業

プラチナは道具やバーナー全てが金とは異なります。
理由は融ける温度が全然違うから。光の明るさに例えるなら、「金はロウソク、プラチナはスタジアムのライト」ほどの違いがあります。

それから、お皿にプラチナの粉を入れ積み上げていますが、これにも理由があるんですよ(^^)

左側の写真は、炎の出し始めです。右側の写真はより高温で溶かし始めたところです。炎の温度によって色が違うのが分かりますか?

この瞬間、プラチナは約1700度以上!!もの高温になっています!当然ながら周りにいる僕たちも物凄く熱いです。
おまけに画像では分かりませんが、バーナーの音がでかい!高温に爆音!まさに小さな鉄工所ですね(^^;)

ちょっと小さくて分かりにくいのですが、重ねていたお皿の高さが低くなっていませんか?実は、プラチナが超高温で溶けるために、お皿を突き破ってどんどん下に落ちているんです!!

ゴールドとプラチナの道具がなぜ違ったのか?
それは、ゴールドの金型にプラチナを流し込むと、高温で金型の方が融けてしまうからなんです。融ける温度が全然違うんです!

そうして出来上がった地金が、父の手にあるプラチナの塊。まだ熱くてずっしり重たいんです。ちなみにこの時の地金は僕には触れる事が出来ません。
火傷するくらいに熱いんです!

熱しては打ってまた熱し、打って熱しの繰り返し!

溶けて丸くなった地金を何度も何度も火で溶かし、やわらかくなっては、金づちで叩き、また溶かし、叩いての繰り返しで棒状へ成形していきます。
内刃物が強いと言われるように、職人が一点一点手作りでつくるジュエリーは強いのです。材料がギュっと詰まっている・・・という表現だとわかりやすいでしょうか?

リズムに乗った金づちの音が響き、形作られていきます。
見てる分には簡単なんですが、驚くべきことはちゃんと長方形の形になっていることなんです!

我が家にはローラーが2種類あります。地金や仕事によって使い分けるんだそうです。
ローラーは機械で動きます。手で回すローラーもあるのですが、仕事量が全然違うのです。

指輪の形作り

熱しては打ってまた熱し、打って熱しの繰り返し。
形を整えるために、今度は丁寧に丁寧に作業を繰り返します。金床(作業台)に使われている 木は樫の木。樫の木は、職人の打つ力に耐えられる強い木なのです。めちゃめちゃ重いんです。

芯金に地金を添わし、木づ ちでリング状にします。指輪らしくなってきました。裏話を明かしますと、本当は芯金を使わずリング状にしているのですが、一般的な工程で作ってもらいました。
不思議なのは芯金を使わず、リング状にするのですが、ちゃんと真円のリング状になっている所なんです。

つなぎ目を結合させます。この作業は一番難しいのです。
また、火の加減で「ロー目」といわれるつなぎ目が見えてしまうので整えた形を気にしながらの慎重な作業です。

バフがけ。ピカピカに磨いて綺麗になります。

こんなシンプルな指輪には、ほぼ一時間ほど時間がかかります。ひとつひとつの工程に、父のこだわりの技術と思いがたくさん詰まっています。

こんなに贅沢なジュエリーが、他にあるでしょうか・・・
みなさん、お手元に当店の可愛い子供達が届きましたら、ずっと可愛がってあげてください。
きっとあなたの大切な宝物になるはずですよ(^^)